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なまやけハンバーグ

夕立みたいにゆかないで【なまやけハンバーグ】【小野未練】

だってあの夕立はすぐにどこかに行ってしまったから、ぼくたちは手をつないだままではいられなかった。来たるお盆、二個上の幼馴染の夜空(22)が東京からこのクソ田舎に帰ってきた。彼女は知らないうちに髪を金に染め、ピアスの穴なんか開けて、田舎なまりの抜けた向こうの言葉で喋っている。東京で就職も決めたらしい。きっと彼女は幸せなんだろう。こんな町のことは全部都合よく忘れて、向こうでうまくやって…夜空に抱いた劣等感も劣情もごちゃまぜの気持ちを抑えきれなくなった主人公、海斗は、それを彼女にぶつけようとする。おそらく最悪の手段で。

エロ漫画家、大野試練の淫蕩【なまやけハンバーグ】【小野未練】

どうせ或子くんは私のことなんてなんとも思ってない。或子くんに引かれるのも、引かせてしまうのも怖い。だから、こんなどうしようもない女のドブみたいな感情は彼には欠片も見せず、友達のままでいたい。そんなことをうじうじ考えながら、それでも二人きりの旅行を楽しむ試練先生。文豪ゆかりの地を見物し、温泉に入り、うまい飯と酒をいただき、幸せでふやふやにふやけた先生の口から、今まで秘めてきた言葉がひとつ、うっかりこぼれ出る。「或子くんはさあ 私のエロ漫画で抜いたことあるー…?」

空洞ですか?【なまやけハンバーグ】【小野未練】

「少し前、夫が失踪した」「だから つまりこれは、穴埋めの話だ」人妻の日鷺 環(ひさぎ たまき)さんは、お隣の大学生の武臣(たけおみ)くんと寝ている。この関係がはじまったのは、ある日理由も告げず夫が失踪してからのことだった。突然空いた穴を無理やり埋めるみたいに、武臣くんと体を重ねる日々を過ごす環さん。夫の失踪を(武臣くん以外には)誰にも話さず平熱の生活を装い続けながら、彼女は回想する。武臣くんと初めて会った日のこと、夫がいなくなった日のこと。夫に出会って間もないころ、彼が言っていた言葉。現在進行形の出来事すべてに目を背けるみたいに。身体の熱だけに意識をゆだねるみたいに。

羊の声でおやすみ【なまやけハンバーグ】【小野未練】

無茶な納期、二転三転する方針、眼精疲労。その他さまざまなストレスで不眠症気味の会社員、朔。彼が心の拠り所にしている喫茶店の一人娘、芽衣。朔は考える。仕事がどれだけ辛くてもこの店があれば自分の中で折り合いをつけられると。いい方にも悪い方にも踏み込みすぎず、現状維持ができる。この子の前ではなんとか大人のフリができる。仕事がクソでも、うまく眠れなくても…
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