お前の母ちゃんすげェ良かったよ。3【壺ぬま】
気の弱そうな若い青年「山下」、ガタイの良い年上の男「庄司」、穏やかそうな中年「ケン」旅行客と地元の人間の他愛のない会話。けれどその視線の熱を、ハルコは肌で感じていた。無邪気な笑顔の奥に見える、剥き出しの好奇心。それを真正面から受けるたび、ハルコの心はざわめき、身体は妙な熱を帯びていく。「私たちセフレなんですよー」会話の最中、斎藤の一言から、ふたりの関係が‘誤解できない形’で知られてしまう。恥ずかしさと混乱の中、男たちの視線と空気に飲まれていくハルコ。かつてなら顔を背けたであろう状況に、今のハルコは抗うどころか、どこか心地よさすら覚えていた。斎藤との日々に染められたその身体は、もう‘普通の母親’ではいられなくなっていた。